発達障害

年代別発達障害の特性の現れ方【思春期・青年期】

2021年6月24日

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年代別発達障害の特性の現れ方【思春期・青年期】

2021年6月24日

年代別発達障害の特性の現れ方、引き続き「思春期・青年期」です。

 

思春期は、発達障害をもつ人にとっても、悩みや不安を抱えやすい時期です。

それゆえ、コミュニケーション、学習、社会、感覚を要する場等さまざまな環境において普段の生活に支障が出やすくなってきます。

 

 

発達障害は、本人や努力不足や保護者の養育によって起こるものではなく、生まれつきもった本人の特性です。

 

生活に支障が出ている特性に気付いたら、まずは医師の診断を受け、発達障害であるか確認しましょう。

 

その診断を受ける事によって、早い時期から周囲の理解が得られ、必要なサポートや協力を受ける事が可能になります。

結果、安心して過ごせる環境が整っていきます。

 

この大事な気付きについて、私が学んだ年代別に現れやすいポイントと発達障害をもつ長男で照らし合わせた経験談を合わせて複数記事にしてみようと思います。

 

「あなた発達障害なんじゃない?」と直接身内以外の人に忠告するのは難しいと思います。

まずは自分のパートナーやお子さんに向けて思い当たる節があるか考えるきっかけになって頂ければと思います。

 

注意ポイント

私は医者ではありません。

これから紹介する特性はあくまでも一例であり、同様の特性がみられた場合でも発達障害とならない場合もあります。

予めご承知おき下さい。

 

障害は、年代別にさまざまな特性が現れる。

過去記事をご覧になっている方や周りに障害を持っている方がおられる方はすでに周知のとおりですが、

 

発達障害とは

「能力特性が強すぎて生きにくさがあること」

です。

 

その強すぎる特性が上手くいった時は「個性」になり、障害ではありません。

その特性が上手くいかない時が「障害」となります。

 

詳細は、過去記事を参考にしてください。

参考
【講座で学んだ】発達障害とは「能力特性が強すぎて生きにくさがあること」

皆さんは、もし自分やお子さんが「発達障害」と診断された場合、治る障害だと思いますか? 「発達障害」自体が聞きなれない言葉かもしれません。   誰しもが持っている生まれつきの個性。 その生まれ ...

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医師は、発達障害を診断する上で特性の凸凹をその時の年齢に沿って総合的に判断する必要があります。

今回は思春期・青年期に現れる特性から説明していきます。

 

思春期・青年期

 

 

思春期・青年期は、

小学校高学年から高校生年代の時期

が該当します。

 

文部科学省によると、

○ 中学生になるこの時期は、思春期に入り、 親や友達と異なる自分独自の内面の世界があることに気づきはじめるとともに、自意識 と客観的事実との違いに悩み、様々な葛藤の中で、自らの生き方を模索しはじめる時期 である。また、大人との関係よりも、友人関係に自らへの強い意味を見いだす。さらに 、親に対する反抗期を迎えたり、親子のコミュニケーションが不足しがちな時期でもあ り、思春期特有の課題が現れる。また、仲間同士の評価を強く意識する反面、他者との 交流に消極的な傾向も見られる。性意識が高まり、異性への興味関心も高まる時期でもある。

○ 現在の我が国においては、生徒指導に関す る問題行動などが表出しやすいのが、思春期を迎えるこの時期の特徴であり、また、不 登校の子どもの割合が増加するなどの傾向や、さらには、青年期すべてに共通する引き こもりの増加といった傾向が見られる。

文部科学省HP「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」より一部引用

 

つまり、

・友人関係の構築が強まる

・親から自立しようする事により、反抗期やコミュニケーション不足になりがち

・異性への興味が高まる

 

対人関係が複雑になり周囲との差が見えてくると、発達障害をもつ子にとっては生きづらさが表面化されていきます。

特に女の子の場合、発達障害の特性があっても「大人しい子」として見過ごされることが多く、思春期になって初めて障害であることに気付くこともあります。

 

自分の特性を自分で理解できるように支援していけるかが、その後の適応に大きく影響を及ぼします。

また周囲もこれから紹介する特性に気付いた場合は、その事を理解して特性を活かす支援をする事が大切です。

 

コミュニケーションで現れる特性

・異性との距離感がわからない

思春期・青年期になると異性に対して興味が出始める時期です。

 

すでに長男の小学校生活では、

この子とこの子が付き合っている。

今度○○君と○○ちゃんが公園で結婚式をやるんだ。

 

等、異性としての関りが現実的に増えてきました。

 

 

発達障害をもつ子は、

・相手の気持ちを感じる事が苦手。

・暗黙のルールがわからない。

・相手が嫌がっても気付けない。

などの特徴を持っていることが多いです。

 

長男は自分の気持ちが優先してしまって、すぐ場にふさわしくない言葉を使ったり、自分の欲求が一方的になりやすい傾向にあります。

兄弟だからと言えばそれまでですが、弟が嫌だと言っている行為に関してもやり過ぎてしまう。

同性の友達や異性に対しても同じことが言えると思います。

 

・自分の思いを充分に伝えられない

発達障害をもつ子は、

・興味の偏りやこだわり

・想像力の欠如

があり、話題が合わないことや会話の流れにについていくのが大変な場面が多いです。

結果、グループ活動で仲間はずれにされたり、休み時間にみんなの輪に入れなかったりして孤立しがちになります。

 

学校で現れる特性

・時間や予定の管理が苦手(カリキュラムの組立など)

学齢期でもあった「自分の好きなことだけに没頭する」特性が強いと好きなことから始めてしまい周りの声掛けが無いと止まらなくなります。

 

長男
あと○○分で終わらせないと・・・

 

長男
○○時になったから帰ろう・・・

 

と例え本人が思っていても、長男の場合は時間の理解が乏しい為、結果管理する事が苦手になります。

学校や家庭でのトレーニング中ですが、現状しばらくは周囲の理解と支援が必要になっています。

 

・意見交換や討論、共同作業などが苦手

発達障害をもつ子は、相手の気持ちや場の雰囲気を理解する事が苦手です。

また、思った事を一方的に話をしたりして意見交換や討論が上手くいかない事が多いです。

我が家でも弟と話している間から急に入り込んできて、自分の会話を押し通そうとすることが多く見られます。

 

感覚で現れる特性

・人混みや騒がしい場所は苦手、疲れやすい

感覚過敏により、他の人が何とも思わない刺激に過剰に反応し、それにより大きな負担を感じることがあります。

例えば、

・集会など大人数が集まる環境が辛い

・周囲が騒がしいと大事な話が聞き取れない

・蛍光灯がまぶし過ぎて辛い

・身体を触られるのが苦手

 

このような場合、じきに慣れるだろうという考え方は逆効果で、閉じこもりや不登校などの二次障害を生み出しかねません。

まずは、発達障害をもつ人が疲れにくい環境を作ってあげることが大切です。

 

生活で現れる特性

・身だしなみに無頓着

発達障害をもつ子は、他人からどう見られているのか意識しにくいので、身だしなみに関心が向かないことがあります。

服装や髪形が乱れていても、人に言われなければ気づきません。

また、手先が不器用で、髪を整えたりひもを結んだりするのがうまくできない子もいます。

 

・ゲームやスマホへの依存

「自分の好きなことだけに没頭する」特性が強いと一旦はまってしまうと依存しやすい傾向にあります。

我が家では、元々教育方針として大人になったら嫌でも出来るようになるゲームやスマホは与えていませんし、しばらく与える予定もありません。

子供の内だからこそ出来る、工作やお絵描き、音楽、ブロック等で想像力や創作力を養ってほしい思いがあります。

 

発達障害に悩む時は「合理的配慮」の提供を受けましょう。

 

ポイント

合理的配慮とは、障害をもつ人の要望を受けて、社会の中にあるその人にとって生きづらい点を取り除く事です。

 

平成28年4月から「障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)」が施行されて、合理的配慮が法律で求められるようになっています。

内閣府HP「障害者差別解消法リーフレット

 

同じ発達障害をもつ人でも困り事は異なるので、「自分はこれが苦手なので、こういう配慮をしてもらいたい」と発信し、それに対し学校などの社会が対応できるかを考えていく必要があります。

 

参考

例えば、

・慣れるのにとても時間がかかる場合は、試験会場の下見

・文面を理解するのが苦手な場合は、問題文の読み上げ

・逆に口頭説明を理解するのが苦手な場合は、口頭説明の文面掲示

・周囲の環境に過敏な場合は、別室受験

等の配慮を申請をする事で可能になる場合があります。

(申請には、医師の診断書、在籍校での支援の実績、支援計画書などの提出が求められることも。)

 

但し、要望したニーズが全て受け入れられるものではなく、受け入れ側にとって過度な負担になる場合は、配慮の提供が認められないこともあります。

 

 

障害をもつ人と受け入れ側が話し合い、どんな配慮ができるか探っていくことが大切です。

 

まとめ

今回は思春期・青年期に現れやすい特性について説明しました。

自分のお子さんに該当する特性はあったでしょうか?

このように発達障害が疑われる特性は多岐に渡り、説明した特性はほんの一部に過ぎません。

 

ただ、疑われる特性について気付き、意識を少し支援側へ切り替えて寄り添うだけで、子供の意識は変わると思います。

子供の凹ばかりを責めるのではなく、凹の溝を浅くする暖かい支援を心掛けたいですね。

 

重複する内容も含まれますが、乳幼児期編、学齢期も併せて御覧下さい。

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最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

 

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  • この記事を書いた人

ゆきは

自閉症スペクトラムの障害を持つ長男を筆頭に次男、長女の3子含む 6人家族の30代主です。ブログ素人。広く浅い知識を元に、家族の生活から節約術、積立NISA、株に至るさまざまな情報をお届けすると共に、備忘録になればと当ブログの開設に至りました。

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