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障害をもつ子供のいる家庭に役立つ「特別支援教育就学奨励費制度」とは?

2021年6月28日

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障害をもつ子供のいる家庭に役立つ「特別支援教育就学奨励費制度」とは?

2021年6月28日

皆さんは「特別支援教育就学奨励費」という制度を知ってますか?

 

発達障害をもつ子の御家庭は御存知だと思いますが、各自治体では特別支援学級などに就学する子供がいる家庭に対して、「学用品費」や「給食費」などの一部を補助する制度を設けています。

※所得制限有

 

発達障害をもつ子を育てる親は、

・療育の為の通院費

・発達障害向けの学習教材費

・忘れ物特性が強い子には、相応の買い直し費

・場合によっては投薬代

など、特別な費用負担が強いられます。

この費用負担を少しでも軽減するための制度であり、親にとっては大変ありがたいですね。

 

私の長男も今年小学4年生から特別支援学級へ転籍して、初めて「特別支援教育就学奨励費」の制度に申請する予定です。

また、私の住んでいる自治体において小学4年生の支給額を調べると、

35,000円以上の支給は期待できそうです。

 

今回の記事では、私が初めて申請する「特別支援教育就学奨励費制度」について内容と補助対象、認定条件から申請方法まで学んだ内容を紹介したいと思います。

 

他にも発達障害をもつ子の御家庭向けにさまざまな手厚い制度があります。参考までに御一読下さい。

参考
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参考
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特別支援教育就学奨励費制度とは

障害のある幼児児童生徒が特別支援学校や小学校・中学校の特別支援学級等で学ぶ際に、保護者が負担する教育関係経費について、家庭の経済状況等に応じ、国及び地方公共団体が補助する仕組みです。なお、平成25年度より、通常の学級で学ぶ児童生徒(学校教育法施行令第22条の3に定める障害の程度に該当)についても補助対象に拡充しています。

対象とする経費は、通学費、給食費、教科書費、学用品費、修学旅行費、寄宿舎日用品費、寝具費、寄宿舎からの帰省費などがあります。

文部科学省HP「 7.特別支援教育就学奨励費」から引用

事前にこの制度に関しては知っていましたが、特別支援学校に入学可能な障がいの程度がある場合、通常級に在籍していても受給可能になっていることは知りませんでした。

 

また、国の令和2年度の実施事業の中にも

特別支援教育就学奨励費負担等(123億9,697万円)
特別支援学校及び小・中学校の特別支援学級等への就学の特殊事情をかんがみ、障害のある児童生徒等の保護者等の経済的負担を軽減するために必要な援助を行い、就学を奨励する。

文部科学省HP「特別支援教育 令和2年度実施事業」から一部引用

きちんと予算計上されており、国として特別支援教育の協力援助に動いていることが分かります。

 

補助対象

特別支援教育就学奨励費支給対象は学校給食費、学用品購入費、通学用品購入費、校外活動費、修学旅行費、通学費等です。

因みに東京都教育委員会に詳細な情報が載っていましたので、リンクを貼っておきます。

東京都教育委員会「就学奨励事業のお知らせ」について

 

尚、奨励費は保護者の負担能力の程度に基づき支弁区分を選定し、これに応じて支給されます。

支弁区分の目安は以下の所得額と世帯状況を参考にしてください。

支弁区分 世帯の状況(カッコ内は年齢を示す。)
親(44)

子(13)

親(44)、親(41)

子(13)

親(44)

子(13)、子(11)

親(44)、親(41)

子(13)、子(11)

親(44)、親(41)

子(13)、子(11)、子(5)

親(44)、親(41)

子(13)、子(11)、子(16)

Ⅰ段階 約278万円以下 約358万円以下 約362万円以下 約437万円以下 約488万円以下 約516万円以下
Ⅱ段階 約463万円以下 約598万円以下 約604万円以下 約729万円以下 約813万円以下 約860万円以下
Ⅲ段階 約464万円以上 約599万円以上 約605万円以上 約730万円以下 約814万円以上 約861万円以上

あくまでも東京都の目安です。詳細はお住いの各自治体を確認して下さい。

 

ここでは東京都の小学校を例として支給対象を簡単に一つずつ説明していきます。

 

学校給食費支給額

給食

実費額の全額又は半額

 

長男の小学校の場合、令和3年度予定の給食費は年間約57,000円です。

要件に当てはまれば、最低でも年間28,500円の支給になります。

 

学用品、通学用品購入費支給額

学用品

実費額(年間限度額まで)

 

具体的に支給対象となる経費は、

学用品

名札、校章 ノート、下敷き、筆箱、鉛筆削り
給食用ナプキン、配膳用マスク 水筒、弁当箱
縄跳び、彫刻刀 色鉛筆、クレヨン、絵の具セット
体育用靴、体操着、ゼッケン 上履き、上履き入れ
プール用バスタオル、ゴーグル 防災ずきん、雑巾
筆記用具(鉛筆、消しゴム、油性ペン等) リコーダー、鍵盤ハーモニカ
習字セット、裁縫道具、算数セット スクール水着、水泳帽

 

通学用品

制服 通学用鞄、ランドセル、ランドセルカバー
防犯ブザー、反射材 通学用靴雨靴、雨傘
通学用靴 レインコート、雨がっぱ

 

その他

学校で徴収する教材費や実習などの材料費

(学校で処理するので保護者の報告は不要)

 

例えば東京都の支給限度額は、

新入学児童生徒の学用品・通学用品購入費:

実費で51,110円(支弁区分Ⅰ段階

実費で25,555円(支弁区分Ⅱ段階)

 

新入学児童生徒以外の学用品・通学用品購入費:

実費で11,640円(支弁区分Ⅰ段階)

実費で5,820円(支弁区分Ⅱ段階)

 

ゆきは
ランドセルが対象になっているのは大きいですね。

入学時から支援級や支援学校を望む御家庭にとっては、大変助かります。

 

注意ポイント

支給対象とならない経費も一部あります。

眼鏡、財布 下着類、ハンカチ、タイツ
リュックサック、修学旅行用バッグ 腕時計
日本スポーツ振興センター共済掛金 手袋、マフラー
衣服(体操着を除く)、着替え用衣服 部活動に関する物
卒業アルバム、学級写真の経費 PTA会費
防寒用ジャンバー、コート 家庭学習用品

 

ちなみに私が住んでいる自治体は、

新入学児童生徒の学用品費:限度額25,555円もしくは対象経費の1/2の額のいずれか低い額。

新入学児童生徒以外の学用品等購入費:限度額5,820円もしくは対象経費の1/2の額のいずれか低い額。

 

ポイント

学用品、通学用品等の支給を受けるためには、領収書またはレシート(レシートは購入した品名等が分かるもののみ有効)が必要です。

必ずなくさず保管しておきましょう。

対象に当たるか不明確なものも一応保管しておくことをオススメします。

 

校外活動費支給額

実費で限度額18,580円(支弁区分Ⅰ段階)

実費で限度額9,290円(支弁区分Ⅱ段階)

※付添人も条件により支給対象

 

私が住んでいる自治体は、

宿泊を伴うもの:限度額1,845円もしくは対象経費の1/2の額のいずれか低い額。

宿泊を伴わないもの:限度額800円もしくは対象経費の1/2の額のいずれか低い額。

 

修学旅行費支給額

実費で限度額21,580円(支弁区分Ⅰ段階)

実費で限度額10,790円(支弁区分Ⅱ段階)

※付添人も条件により支給対象

 

私が住んでいる自治体は

限度額10,790円もしくは対象経費の1/2の額のいずれか低い額。

 

通学費支給額

通学バス

実費額の全額

 

簡単にまとめると

 

支弁区分Ⅰ段階

(東京都)

支弁区分Ⅱ段階

(東京都)

私の住んでいる自治体
学校給食費 実費全額 実費額の1/2 実費額の1/2
学用品購入費、

通学用品購入費

実費限度

11,640円

実費限度

5,820円

限度額5,820円もしくは

対象経費の1/2の額のいずれか低い額

校外活動費 実費限度

18,580円

実費限度

9,290円

限度額1,845円もしくは

対象経費の1/2の額のいずれか低い額。

修学旅行費 実費限度

21,580円

実費限度

10,790円

限度額は10,790円もしくは

対象経費の1/2の額のいずれか低い額

合計支給額 108,800円 54,400円 46,955円

※給食費は、長男の小学校の令和3年度予定である年間約57,000円として計算

 

私の住んでいる自治体でも年間最大で約47,000円の支給を受けられることになります。

修学旅行がある6年生以外でも35,000円以上は頂けそうな計算になります。

 

見ての通り各自治体によって支給額にバラツキがありそう…

気になる方はぜひお住いの自治体に確認してみてください!

 

認定条件

(1)特別支援学級等に在籍している

(2)通常学級に在籍し,重度の障害,疾病等(市の教育支援委員会において,特別支援学校で学ぶことが望ましい程度と判断されるもの)がある
※年度途中に特別支援学級に在籍することとなった場合には、その時点で申請することができます。

 

(2)については、学校教育法施行令第22条の3で掲げられている障害の程度と考えられます。

具体的に表にしてみました。

区分 障害の程度
視覚障害者 両眼の視力(※1)がおおむね0.3未満のもの又は視力以外の視機能障害が高度のもののうち、拡大鏡等の使用によっても通常の文字、図形等の視覚による認識が不可能又は著しく困難な程度のもの
聴覚障害者 両耳の聴力レベル(※2)がおおむね60デシベル以上のもののうち、補聴器等の使用によっても通常の話声を解することが不可能又は著しく困難な程度のもの
知的障害者 1.知的発達の遅滞があり、他人との意思疎通が困難で日常生活を営むのに頻繁に補助を必要とする程度のもの

2.知的発達の遅滞の程度が前号に掲げる程度に達しないもののうち、社会生活への適応が著しく困難なもの

肢体不自由者 1.肢体不自由の状態が補装具の使用によっても歩行、筆記等日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とする程度のもの

2.肢体不自由の状態が前号に掲げる程度に達しないもののうち、常時の医学的観察指導を必要とする程度のもの

病弱者 1.慢性の呼吸器疾患、腎臓疾患及び神経疾患、悪性新生物その他の疾患の状態が継続して医療又は生活規制を必要とする程度のもの

2.身体虚弱の状態が継続して生活規制を必要とする程度のもの

※1:視力の測定は、万国式試視力表によるものとし、屈折異常があるものについては、矯正視力によって測定する。

※2:聴力の測定は、日本工業規格によるオージオメータによる。

 

申請方法

私の住んでいる自治体の場合は、毎年度6月頃に学校を通して「特別支援教育就学奨励費にかかる収入額・需要額調書」の通知があります。

その調書に必要事項を記入し、所得を証明する書類を添付して、学校に提出するだけです。

認定になった場合、奨励費のうち学用品費・通学用品費について、翌年度2月に領収書の提出することになります。

 

注意ポイント

申請方法も各自治体によって異なる可能性がありますので、御確認下さい。

 

まとめ

特別な費用負担を強いられる発達障害をもつ子の御家庭にとっては大変ありがたい助成制度である「特別支援教育就学奨励費制度」の紹介でした。

支給要件によって支給額は異なりますが、

認定された場合は、年間35,000円以上の助成を受けることが出来ます。

また、この制度は通常の学級で学ぶ児童生徒も対象となっています。

この機会にぜひ確認してみてはいかがでしょうか?

 

ポイント

学用品、通学用品等の支給を受ける場合は必ず領収書やレシートを保管しておきましょう。

 

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

 

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  • この記事を書いた人

ゆきは

自閉症スペクトラムの障害を持つ長男を筆頭に次男、長女の3子含む 6人家族の30代主です。ブログ素人。広く浅い知識を元に、家族の生活から節約術、積立NISA、株に至るさまざまな情報をお届けすると共に、備忘録になればと当ブログの開設に至りました。

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